Exhibition

展覧会

世田谷美術館

エキシビジョン

2013年7月に世田谷美術館にて開催された「榮久庵憲司とGKの世界ー鳳が翔く」は、戦後の復興期より、数々の製品をデザインすることで、日本人の生活や都市空間の近代化の一翼を担っていたGKデザインの世界像が紹介されました。

展覧会(エキシビジョン)

「榮久庵憲司とGKの世界ー鳳が翔く」展

世田谷美術館において、故栄久庵憲司を中心にしたGKグループの活動を紹介する「榮久庵憲司とGKの世界 - 鳳が翔く」展が開催されました。この展覧会では、榮久庵憲司とGKグループが、60年にわたり手がけてきた作品が紹介されるとともに、将来へ向けてのさまざまな提案活動、さらには、「人と自然と道具の調和のとれた共存を追求する」というテーマで、人と自然と道具が美しく共生する世界を具現化したインスタレーションによって、GKグループの根底に流れる思想を表現しました。

Setagaya Exhibition

展覧会図録
組織の創造力でデザインの未来を探る
GKグループは2012年に創立60周年を迎えました。創業以来、時代の流れを捉え、その流れを反映したデザイン制作やさまざまな製品へメッセージ込め社会へ発信してきました。特に1985年の「道具曼荼羅展」や「道具寺道具村建立縁起展」などでは、「モノのかたち」や「人間との関係」の試みを紹介しました。 」私たちは人間と道具の理想的な関係を模索しています。世田谷展覧会では、「池中蓮華」をメタファーとして、「自然・人間・道具」を統合調和させるという人間の理想的な考え方を、より広い視野で表現しました。物づくりを通じて「デザインのユートピア」を探求し、地球のすべての人の未来への方向性を表現して創作された展覧会でした。

現在、株式会社GKデザイン機構を中核とした、GKデザイングループは、それぞれの専門分野で独自にデザインを行う高い専門性と領域を超える柔軟で国際的なチームワークによって、ものごとの本質を追求し、新たな価値を想像します。 その背景には「組織の創造力」があります。この展示会は、グループ全社が協力して創り上げた展覧会でした。

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現在、株式会社GKデザイン機構を中核とした、GKデザイングループは、それぞれの専門分野で独自にデザインを行う高い専門性と領域を超える柔軟で国際的なチームワークによって、ものごとの本質を追求し、新たな価値を想像します。 その背景には「組織の創造力」があります。この展示会は、グループ全社が協力して創り上げた展覧会でした。

未来に向けて
魂の安らぎを祈りながら「人と道具の未来」を築く。
展覧会の準備中に、2011年3月11日に東日本大震災が発生しました。多くの人が命を落とし、または大怪我を負わされ、多くの人は日々の生活が奪われ精神的傷を負いました。私たちは自然の偉大な力に気づき、自然、人間、そして道具が共に暮らす困難と、それらが築く安心と喜びの重要性を学びました。日本人が一丸となって自然、人間、道具を尊重し、その気持ちを世界に発信していただきたいと心から願っております。そして、日本は、震災後の復興・再生に全力を尽くしています。
「池中蓮華」に象徴されるユートピアのイメージ。それは、人間の希望が自然の創造の知恵によって、そして宇宙に包まれることによって無限に広がることを示しています。この展示空間のデザインでは、宇宙を模して、この世界観である超自然空間を創りました。道具寺院道具村のイメージと月の投影像を背景に、蓮の池が床一面に広がっています。広さ250平方メートルのホールは、樹脂と紙で作られた1000本の蓮の花で埋め尽くされていました。三方の鏡の壁には映り込んだ蓮の花が際限なく続くように見えます。月の出から月の入りまでの動きを周期として、蓮の池の照明、風鈴の音、鳥のさえずりなど、悠久の時の流れを感じることができます。

穏やかな蓮の池に囲まれたカラビンカは、自然と調和して生きる物の強さと優しさを体現しています。 池を駆け抜けるそよ風とともに行き来する鳥の姿は、あえて匠な表面仕上げによる金属素材で作られています。やさしい風によって、首、頭、羽、鳥の体がやさしく動きます。 すべてのパーツがランダムに動きを加えることで、人工的制御システムには実現できない鳥の自然な動きを再現しました。 モーターは足部のみに取り付けられ 他のパーツと動きを対比することで、全体に生命の美しさが表現されています。

トップ画面のイメージ画像のオブジェは、軽量なトラス構造の胴体と大きくて細かいホイールで表現した天の乗り物です。そしてこの車に乗っている天女は、深遠な表情を持ち、まるで現在の社会を見つめているような印象です。 その姿は、乗り物とともに天に向かっていることが想像できます。一つのパイプで創られた天女の顔は能の仮面のようで、その神秘性を深めています。天女の全体像を象徴的にしたことでオブジェの存在感が際立ちます。 このように、比喩的な表現を超えた精神的な世界がデザインによって表現されることで、実像と虚像が織り交ぜられた新しい世界観が生まれます。